ありがとうの力 本:小倉昌男「経営学」
このブログでも何度も書いているが
地味な個人向け宅配便にスポットを当て
結果日本経済を牽引するまでに成長をとげたヤマト運輸
その宅急便を作り上げた前社長の小倉昌男氏の著作
ずっと読みたいと思いながら読めてなかったので
この正月休みに読んだ。
いやー、プロジェクトXのようだったぁ
一気に読めてしまいました。
歯に衣着せぬ物言い。何事にも屈しない姿勢は見事だ。
労使関係の捕らえ方、そして運輸省との戦いの数々は読んでいるこちらとしても胸がすく思いだった。
「消費者にとってプラスになることは認められるべきだ」という信念に基づく、この役人体質に真っ向から挑む姿勢は、長いものには巻かれろ的な日本人にとっては見習うべきものがあると思うが、もしかしたらこの時徹底的にやられた官庁の恨み?が後の郵政省によるヤマトいじめ(と私は思っている)につながったのでは?などとちょっとうがった見方もしてしまう。
ビジネスマンにとって学ぶべきところは数々あると思うが
私が一番印象に残ったのは、
ヤマトが宅急便にとりかかる時、あまり乗り気でなかった運転手の社員たちが、個人宅の奥さんたちからじかに集配・配達時に
「ありがとう」と声をかけてもらえる所から、どんどん気持ちが前向きになり、全社一丸となることができた…というくだりだ。
運転が好きだから運転手になったのに、ヤマトの顔として一線の営業になれ!との体制に最初は猛反発をしていた運転手たちが
運転手→SD(セールスドライバー)へと変化していく下りだ。
「ありがとう」の力は本当に大きい。
昨今、「ありがとう」を売り物にする「ありがとう教」ともいえるような
自己啓発系の輩も増えていて、意味はなくてもただ「ありがとう」と
お経のように唱えれば開運する…などという怪しげなものもある。
「言霊」であるから、そういう力もあるのかもしれないが、私はやっぱり本当の意味で中身の伴った「ありがとう」をいっぱい渡したいし、もらえるように頑張りたいと思っている。
あと、最大の顧客であった三越との決別。
握っているものを手放さないと、新しいものを掴むことができない。
いい例でした。
ヤマトさんには去年も色々と助けられた。
また、おいおいその事も書いていきたいと思う。
<ココログでの過去記事>がんばれクロネコヤマト
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